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新型コロナウイルスの存在証明

NEWS&ブログ,ワクチン(C),資料

【新型コロナウイルスの存在証明】

コロナワクチン反対活動家の中に「新型コロナウイルスは存在しない」と主張する人もいます。(徳島大学名誉教授の大橋眞先生など)
この根拠として「コッホの4原則」を満たしていない。他にも地方自治体にウイルスの存在証明の行政文書開示を求めたところ、保持していない、不開示とされたことを持って、ウイルスは存在しないなどと主張されることがあります。この言説については、反論するサイトもすでに複数存在します。
「全国有志牧師の会」では分子生物学の専門家を招いてウイルスと免疫の基本を勉強する機会をセミナーで設けましたし、「全国有志医師の会」やウイルス・免疫学の専門家(荒川央、村上康文、宮沢孝幸、上田潤 各氏etc.)の方々の意見を基本的に重視しています。

ここでは新型コロナウイルスは存在すると判断される論文についての解説をXに投稿された方の資料から紹介します。
https://x.com/universalsoftw2/status/1695733839614898200?s=46&t=aMROWfx5apt8EwXyL9dwuw

「新型コロナウイルスの存在を証明する科学的根拠、論文等」として国立感染症研究所が保有していると示した論文

今年(2023)2月、独立系メディアInFactが国立感染症研究所(以下、感染研)に対し、
1 新型コロナウイルスの存在を証明する科学的根拠、論文等
2 PCR陽性判定の無症状者が、他者に新型コロナウイルスを感染させるという科学的根拠、論文等
3 マスクの着用が新型コロナウイルスの感染防止に効果があるという科学的根拠、論文等
4 新型コロナウイルスワクチンが効果があるという科学的根拠、論文等
5 日本国は新型コロナウイルスワクチンが治験も終わってなく、安全、有効性も確立していない中、国民に接種させる科学的根拠、論文等
実際に保有している論文等があるかと問い合わせを行った。感染研はInFactに対し以下の回答を示した。

1. 新型コロナウイルスの存在を証明する科学的根拠、論文等

1 初めて患者からウイルス分離した論文(2020年1月24日)
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2001017
(N Engl J Med 2020; 382:727-733、DOI: 10.1056/NEJMoa2001017)

2 ウイルスをサルに感染させた論文
2-1 Respiratory disease and virus shedding in rhesus macaques inoculated with SARS-CoV-2(2020年3月21日)
のちに『Nature』に掲載されていますhttps://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.21.001628v1
2−2 Comparative pathogenesis of COVID-19, MERS, and SARS in anonhuman primate model(2020年4月17日)(Journal: Science、DOI: 10.1126/science.abb7314)
URL https://www.science.org/doi/10.1126/science.abb7314
2.PCR陽性判定の無症状者が、他社に新型コロナウイルスを感染させるという科学的根拠、論文等

新型コロナウイルス感染症の感染性(IASR Vol. 42 p30-32: 2021年2月号)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2536-related-articles/related-articles-492/10177-492r02.html

文書名3.~5.については弊所では保有していないため、政策を担当する内閣府や厚生労働省にお問合せいただくよう案内をしています。https://infact.press/2023/02/post-21430/
以下、感染研保有の論文などを基に新型コロナウイルスの存在証明を試みる。

▲ 新型コロナウイルスの存在を証明する科学的根拠、論文等

● 初めて患者からウイルス分離した論文(2020年1月24日)

論文タイトル『2019 年に中国の肺炎患者から検出された新型コロナウイルス』
概要:
2019 年 12 月,原因不明の肺炎の患者クラスターが中国・武漢の海鮮市場と関連付けられた。
肺炎患者のサンプルで,変異情報を用いない塩基配列決定(unbiased sequencing)を行った結果、未知のベータコロナウイルスが検出された。ヒト気道上皮細胞から新型コロナウイルスが分離され、2019-nCoV と命名された。これは sarbecovirus 亜属,Orthocoronavirinae 亜科に含まれる。
2019-nCoV は,MERS-CoV および SARS-CoV とは異なる、ヒトに感染するコロナウイルス科の 7 番目のウイルスである。サーベイランスの強化とさらなる調査が進行中である。(中国国家重要研究開発プログラム、国家感染症対策特別プロジェクトから研究助成を受けた。)
論文リンク:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2001017
日本語サマリー:https://www.nejm.jp/

● オーストラリアの科学者が2020年に新型コロナウイルスの分離に成功し、分離株を各国研究所にシェアしていた(本論文は感染研が保有しているものではない)

オーストラリアの科学者がオーストラリアでCOVID-19と診断された最初の患者から新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を分離し、分離株を国内外の参照試験所及び北米と欧州の主要な菌株保存機関に送付していたことが2020年4月に The Medical journal of Australia に記載された論文で明らかにされた。
論文タイトル:『オーストラリアでCOVID-19と最初に診断された患者から2019新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を分離し、迅速に共有』
抄録:
〇 目的
オーストラリアにおけるSARS-CoV-2の初分離とシークエンシング、および分離株の迅速な共有化について報告する。
〇 背景
SARS-CoV-2は、2020年1月19日にメルボルンに到着した中国・武漢出身の58歳男性から分離された。その男性は、1月24日に発熱、咳、進行性の呼吸困難で救急診療部からメルボルンのモナッシュ・メディカル・センターに収容された。
〇 主な成果
オーストラリアで初めて報告されたCOVID-19(SARS-CoV-2による疾患)症例の臨床経過と検査上の特徴;患者からのウイルスの分離、分離したウイルスの全ゲノム解析、画像化、迅速なシェアリング。
〇 結果
来院時に鼻咽頭ぬぐい液と喀痰から採取した検体がそれぞれSARS-CoV-2陽性(逆転写PCR法=RT-PCR法)反応を示した。鼻咽頭ぬぐい液の材料をVero/hSLAM細胞に接種したところ、培養下でSARS-CoV-2ウイルスが分離された。上清を電子顕微鏡で観察したところ、コロナウイルス科のウイルスに特徴的な形態を持つウイルス粒子の存在が確認された。分離されたウイルスの全ゲノム解析と系統発生解析の結果、この分離株が一般に公開されている他のSARS-CoV-2ゲノムと99.99%以上の配列同一性を示すことが判明した。オーストラリアで最初に分離されたSARS-CoV-2は、分離から24時間以内に、国内外の参照試験所及び北米と欧州の主要な菌株保存機関に送られた。
〇 結論
SARS-CoV-2分離株を迅速に同定し、増殖させ、国際的に共有することは、より優れた診断方法、ワクチン候補、抗ウイルス剤を開発することによってこの国際的な公衆衛生上の緊急事態に効果的に対処するための共同科学努力の重要な一歩となる。
論文リンク:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.5694/mja2.50569

▲ ウイルスをサルに感染させた論文

● 論文タイトル:『SARS-CoV-2を感染させたアカゲザルの呼吸器疾患とウイルス排出』
抄録
現在SARS-CoV-2と名付けられた、呼吸器疾患と約2%の症例致死率を引き起こす新型コロナウイルスの流行が、2019年12月に中国の武漢で始まった。前例のない急速な世界的拡大を受けて、世界保健機関は2020年3月11日にCOVID-19をパンデミックと宣言した。ヒトでの発症に関するデータは着実に出てきているが、SARS-CoV-2の発症機序のある側面は、サンプリングと組織採取を繰り返すことが可能な動物モデルでしか詳しく研究できない。本論文ではSARS-CoV-2を感染させたアカゲザルは呼吸器疾患を引き起こし、8〜16日間持続することを示す。ヒトの疾患の特徴である肺浸潤は、全てのサルの肺X線写真で確認できた。全てのサルの鼻と喉のぬぐい液と気管支肺胞洗浄液から高濃度のウイルスが検出された。一匹のサルでは、直腸の脱落が長期にわたって観察された。これらを総合すると、アカゲザルはヒトの症例の大部分で観察される中等度の疾患を再現している。COVID-19のモデルとしてアカゲザルを確立することは、この疾患の病態の理解を深め医療対策の開発および試験に役立つであろう。
論文リンク:https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.21.001628v1
論文リンク(Nature):https://www.nature.com/articles/s41586-020-2324-7

● 論文タイトル:『霊長類モデルにおけるCOVID-19、MERS、SARSの比較発症機序』
抄録:
現在のパンデミックコロナウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2 (SARS-CoV-2)は、最近、急性呼吸器症候群コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の患者から同定された。SARS-CoV-2や中東呼吸器症候群(MERS)-CoVをマカクザルに感染させ、SARS-CoV感染症に関する過去の報告と病理学的およびウイルス学的に比較した。SARS-CoV-2に感染したマカクザルでは、臨床症状がないにもかかわらず、ウイルスが鼻と喉から排泄され、びまん性肺胞障害病巣のI型及びII型肺細胞や、鼻、気管支、気管支肺粘膜の繊毛上皮細胞で検出された。SARS-CoV感染では、肺病変は一般的に重症であったがMERS-CoV感染では軽度であり、ウイルスは主にII型肺細胞で検出された。これらのデータは、SARS-CoV-2がマカクザルにおいてCOVID-19様疾患を引き起こすことを示しており予防・治療戦略を検証する新しいモデルとなる。
論文リンク:https://www.science.org/doi/10.1126/science.abb7314

▲ 新型コロナウイルスのゲノム解析結果
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NC_045512
https://nextstrain.org/ncov/gisaid/global/6m

▲ 新型コロナウイルスの蛋白質構造情報
https://www.rcsb.org/news/feature/5e74d55d2d410731e9944f52