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キリスト者はこの世に生き、政治とその時代に無関係には生きられない

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「キリスト者はこの世に生き、政治とその時代に無関係には生きられない」
私の住んでいる神戸にはかつて賀川豊彦さんという牧師がいました。
戦前戦中戦後を生きたキリスト者でありました。
賀川さんはベストセラー「死線を超えて」という自伝的小説でも有名ですが、神戸スラムに生きる人々のためにスラムの路傍に立ち、福音説教していた伝道者でした。
しかし生活苦にいるスラムの人たちのためには生活向上が急務であると考え、生活共同組合、労組、農業組合の組織を作るために奔走し、戦後初代の首相にも推薦された人でした。当初戦争反対を唱えましたが、戦争のために全国の教会が政府により一つに統合されていく中、彼もまた抗うことができませんでした。
しかしそんな時代にあっても、美濃ミッションなどホーリネスの一部が天皇崇拝に対する絶対服従を拒んだために、弾圧を受けたことはみなさんもお聞きになったことがあるでしょう。
同じ頃ドイツではヒトラーが台頭し、ワイマール憲法の緊急事態条項を悪用してナチス政権が樹立、全体主義国家になって行きました。
日本同様、ドイツのキリスト教会は選択を迫られました。ナチスに従うのか抵抗するのか
ボンヘッファやニーメラー牧師は抵抗を選んで殉教して行きました。
そしてドイツの教会は、礼拝を守りながら600万人のホロコーストを傍観するしかなかったのです。
今のあなただったらどんな選択をしたでしょうか。
キリスト者は生きる時代と政治に無関係に生きることはできません。
そして時の権力に従えば、自由と信仰の危機を経験して来たのです。
悪魔が跳梁跋扈する時代に世に起こっていることを見ようとせず、教会活動だけに生きることは、果たしてできるのでしょうか。
良きサマリア人は
強盗に襲われた人を助けましたが、宗教家たちは見て見ぬふりをして通り過ぎて行きました。
私たちはこのエピソードから何を学べるでしょうか。